この作品も司馬遼太郎の著作です。
これは、司馬作品にしては珍しく中国を舞台にしたものです。タイトルからわかるように、漢という日本にも多大な影響を与えた王朝を築き上げた劉邦が主人公です。
劉邦は愚人、項羽は勇猛果敢な武将として描かれていますが、最終的には劉邦が勝ちます。
それはなぜかというと、劉邦自体は愚人なのですが、彼の周りには優れた人間が多く集まり、しかもその人材が適所で生かされていたからです。
この辺の機微が司馬遼太郎独特の筆遣いで、非常に面白く取り上げられています。
この本を読むと、トップに立って成功するためには何が必要か?ということを深く考えさせられますね。
しかし、あえて言うのであれば、最後に劉邦が勝つところの描写があやふやであるという印象を受けます(^^;
何千年も前の話で資料がなかったのかもしれませんが、それだけが残念ですね・・・
まぁ主題が別にはっきりあるのでそこはたいして重要ではないと言うこともできますし、名作であることは間違いないと思います。
PR
トラックバック
トラックバックURL: